卒業生に聞く
神大附属
聖マリアンナ医科大学医学部医学科卒業
神大附属で育まれた強さと絆
「絶対にあきらめないで」恩師の言葉が導いた医師への道
私は決して天才肌ではなく、医学部を受験すると胸を張って言えるような成績ではありませんでした。外科医になるという夢を叶えるために、自分の限界まで努力を重ねましたが、なかなか成績が伸びず、今振り返っても本当に苦しい日々でした。医師になれるかどうかもわからず、先の見えない不安の中で人生を懸けて努力することは、もう二度とないだろうと思います。
そのような状況の中でも、神大附属の先生方は「かんなさんには本当に医者になってほしい。絶対にあきらめないで」と、叱咤激励し支えてくださいました。医師となった今でも、当時応援してくださった先生方と関わり続けられていることに、心から感謝しており、このご縁をこれからも大切にしていきたいと思っています。
医療に活かされる音楽部での経験
中学高校時代は音楽部に所属し、コントラバスを担当していました。朝早く登校し、昼休みも楽器に没頭する毎日を送っていましたが、コンクールという同じ目標に向けて仲間と一緒に練習した経験はかけがえのないものです。卒業後も演奏を続けており、現在は患者さんに向けた病院コンサートなどで演奏する機会もあります。神大附属で一生の趣味に出会えたことを、心から嬉しく感じています。
現在、私は外科医として日々、患者さんと向き合っています。医療チームにおいて医師は、オーケストラの指揮者のような存在であると感じています。多職種の専門的な意見を聞き、十分に話し合い、治療の方向性を決定していく。その過程は、オーケストラで一つの曲を作り上げるのと全く同じです。
また、医師の仕事は体力勝負でもあります。毎日1万歩以上病院内を歩き回り、手術では半日以上立ちっぱなし、夜間に患者対応をすることも少なくありません。中学高校時代に、中山駅からの坂道を15分歩いて通学していたことや、合奏で長時間立ち続けていた経験が、今の私の基礎体力を支えていると感じます。
神大附属の友人とは安心できる居場所のような関係
医療の世界は専門性が高く、時に視野が狭くなりがちな分野だと感じています。だからこそ、医療以外の分野で活躍している中学高校時代の友人たちを、今も特に大切にしています。5年間同じクラスで過ごした友人とは、卒業後も定期的に会って近況を語り合っています。また、中学3年の研修旅行中に意見の食い違いから喧嘩し、在学中はあまり話さなかった友人と、卒業後にふとしたきっかけで再び交流するようになり、今では一緒に海外旅行をするほどの仲になったのは、自分でも驚いています。
時の流れとともに考え方は変わっていきますが、青春時代を6年間共に過ごしたという事実は変わりません。神大附属の友人たちは、年月を重ねても安心して心を許し合える存在であり、久しぶりに会っても話が尽きることはありません。
医師という仕事は、自らの判断や指示が患者さんの人生を左右する責任の重い職業です。時に、人間の力ではどうすることもできない過酷な現場に直面することもあります。それでも、患者さんの顔色が日に日に良くなり、「先生のおかげで助かりました。ありがとう」と笑顔で退院していく姿を見ると、すべての苦労が吹き飛ぶほどのやりがいを感じます。
私は中学高校時代に、自分の夢に向かって努力を重ねて本当に良かったと思っています。皆さんも、一度きりの青春時代を大切にし、目の前のやりたいことや夢に向かって、全力で取り組んでほしいと思います。

