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卒業生に聞く
神大附属

市江悠さん
ミシガン大学アナーバー校 大学院 Pharmaceutical Sciences (創薬科学)
市江 悠さん
2020年卒業(第30期生)
アラバマ大学バーミングハム校卒業
※学校名等は取材当時のものです
迷いや不安に寄り添い
背中を押してくれた学校でした

先生と仲間の温かさに支えられた部活動

市江悠さん
自分を成長させてくれた音楽部の活動

 私は音楽部に所属していました。入部のきっかけは、「バイオリンが弾けるようになりたい」という純粋な憧れからで、クラシック音楽への強い情熱があったわけでも、特別に楽器が得意だったわけでもありません。さらに中学3年生の1年間は留学しており、音楽部の活動からは離れていました。高校で部活動に復帰したときには、部員全員がコンクールで金賞を目指して真剣に練習に取り組んでいました。ちょうどその頃から、オーケストラの演奏に加えてミュージカルにも力を入れ始めるなど、音楽部全体が大きく変化していく時期でもありました。

 その熱気に圧倒され、部活動を続けていけるかどうか悩んでしまったこともありました。しかし、顧問の先生や同期が私の気持ちを受け止め、親身になって相談にのってくれました。先生や仲間の励ましのおかげで「もう一度頑張ろう」と決意し、最後までやり遂げることができたのです。

 音楽部では、くすのき祭(学校祭)やコンクール、定期演奏会など、人前で演奏する機会が数多くありました。大きなホールに自分たちの音が響いた瞬間には、「やっぱり音楽が好きだな」「続けてきて本当によかった」と心の底から感じました。仲間と共に一つの音楽を作り上げる経験、そして最後まで努力を重ねる経験は、協調性や忍耐力を育む大きな糧となり、自分自身の成長にもつながったと実感しています。

 今でも同期とは定期的にZoomで集まったり、一時帰国の際に旅行に出かけたりするほど、大学を卒業した今も変わらず大切な存在です。離れていても支え合える関係を続けられているのは、神大附属で共に過ごした、かけがえのない時間があったからこそだと感じています。

海外への道を開いてくれた神大附属

市江悠さん
米大学進学のチャンスは近くにありました

 在学中で特に印象に残っているのは、進路を考える際に担任の先生に大変お世話になったことです。私は最終的に海外進学を選びましたが、国内大学との併願をしていたため、受験勉強の面でも迷いや不安が多くありました。そんな中、担任の先生は私の考えや将来の夢に真摯に向き合い、進む道を一緒に考えてくださいました。私の選択を尊重し、現実的な準備や学習面で支えてくださったことで、安心して自分の進路を決断することができました。

 この経験を通して、挑戦には不安がつきものでも、信頼できる人に相談しながら進めば必ず乗り越えられるということを学びました。海外での生活や現在の研究活動においても、迷ったときには周囲の力を借りながら前に進む姿勢につながっていると感じています。

 海外進学を考えるようになったきっかけの一つは、1年間の留学を学校に認めていただいたことです。生徒一人ひとりに寄り添う温かい教育方針に、今でも心から感謝しています。そして、もう一つの大きなきっかけだったのが、ある先生が「UPAAに挑戦してみないか」と声をかけてくださったことでした。「UPAA」というのは、「海外協定大学推薦制度」のことで、当時、神大附属は加盟してまだ2年目という新しい取り組みでした。新しい制度に対する不安もありましたが、留学を経験したことで「大学生になったら、必ずもう一度海外留学したい」という思いが強くなっており、思い切ってこの制度に挑戦することにしました。

 神大附属に入学した当初は、留学どころか、アメリカの大学に「直接」進学する道が、まさか自分の前に開かれるとは想像もしていませんでした。しかし今振り返ると、神大附属での挑戦と先生方の支えが、確実に現在の進路へとつながっていたのだと実感しています。

時と距離を越えてつながる神大附属の友情

 大学時代を日本で過ごしていない私にとって、中高の6年間を共にした神大附属の友人は、日本に帰国した際に必ず会う大切な存在です。2年に一度ほど帰国していますが、そのたびににぎやかな居酒屋に連れて行ってくれたり、カラオケで一晩中盛り上がったりと、アメリカでは味わえない「日本の大学生」らしい時間を過ごさせてくれます。友人たちの気遣いや優しさは、神大附属時代も今も変わらず、再会するたびにその温かさを感じます。

 最近ではコロナ禍が落ち着き、ハワイやロサンゼルスに神大附属の友人が会いに来てくれることも増えました。一緒に旅行を楽しみながら、思い出話に花を咲かせています。「英語が不自由なく使えて、危機察知ができるあなたと一緒だと安心」と言われると、うれしさとともに少し誇らしい気持ちになります。

中学・高校時代の時間は必ず自分を支えてくれる財産になる

市江悠さん

 現在、アメリカの大学院で創薬科学の研究に取り組んでいます。研究は、一つひとつの実験が思うように進まないことも多く、地道で忍耐のいる作業の連続です。それでも、その積み重ねの先に「新しい薬の発見につながるかもしれない」という希望があることが、大きなやりがいになっています。自分の努力が将来、病気で苦しむ人の助けになるかもしれないと思うと、困難な瞬間も前向きに取り組むことができます。また、新しい知識を得たり、実験が成功したりしたときに仲間と喜びを分かち合えるのも、研究の魅力の一つです。

 在校生の皆さんには、自分の興味や夢に素直に挑戦してほしいと思います。たとえ最初は小さな憧れや「少しやってみたい」という気持ちからでも、それを続けていくことで、大きな可能性が開けることがあります。中学・高校時代に得た経験や仲間との時間は、きっと将来のどこかで自分を支えてくれる大切な財産になるはずです。どうか自分の可能性を信じて、いろいろなことに挑戦してください。