卒業生に聞く神大附属

和田一彬さん

※会社名・役職等は取材当時のものです

清水建設株式会社
大阪支店土木部
和田 一彬さん
2006年 本校卒業(第16期生)
東北大学大学院工学研究科
土木工学専攻修了
今につながる、
自分の礎が築かれた場所

野球と学業を通して教わった、たくさんのこと

中高時代は勉強に励む傍ら、野球部で汗を流す毎日を送っていました。基本的な礼儀やマナーをはじめ、6年間打ち込んだ部活動から学んだことは数えきれません。とりわけ自分にとって大きかったのは、学業との両立を通して培われた時間管理力です。オンはオン!オフはオフ!と意識的に切り替えて時間を有効活用するように心掛けていました。また、定期考査前に配られた専用の用紙に一日のスケジュールを記入することで、普段の生活リズムを見直すことができました。素振りの時間まで書いていたため、とある先生には未だに「素振りの和田くん」と呼ばれています(笑)。

加えて、限られた時間の中でも着実に力がついたのは、最低限の予習や日々の授業・宿題が基礎力をしっかり固めるものだったからだと思います。特に私は予習を重視していました。同じ50分でも、有意義なものになるか、意味のないものになるかは自分次第ですから。今考えると、進学校にもかかわらず部活をやっている人は多かったですね。勉強はもちろん、部活動や学校行事にも全力で取り組む雰囲気があったように思います。

個性豊かな友人たちから、昔も今も刺激を受けている

和田一彬さん

高校3年の後半には授業が減って自由登校になりましたが、毎日学校に通い勉強していました。休憩時間は友人たちと得意な科目を教え合ったり、時にはくだらない話をしたり。気心の知れた志の高い友人たちがいたから、ハードな受験勉強も苦になりませんでした。彼らは今、さまざまな進路を歩んでいます。芸術系や体育系に進んだ人もいて、今会えばいろんな話ができて楽しいですよ。そして、それだけの多様な進路をサポートできたのは、各教科のスペシャリストである先生方がそろっていたからだと思います。印象に残っている先生は…いすぎて答えられません(笑)。

在学中、受験を終えた先輩や大学在学中のOB・OGの方から話を聞く機会も多かったです。受験の体験談では、「選択科目を早い段階で絞りすぎると、大学選択の幅が狭まる」といった具体的なアドバイスがそのまま役立ちました。視野や知見を広げたいという思いが強かった私には、さまざまな人の生き方や考え方に触れることができたのも良い経験でしたね。卒業後は自分も壇上に立ち、後輩たちに向けて何度か話をさせていただきました。

予想もしなかった、就職先と母校との縁

和田一彬さん

進学先の東北大学でも野球を続け、大学院在学中にはドイツ留学も経験しました。もともとインフラの整備に携わりたいという思いはあったんですが、信頼できる公共物、誇れる仕事を残すことができると思い、清水建設に就職を決めました。内定をもらった時に学校に報告に行ったら、当時の校長先生に「うちの校舎を作ったのは清水建設だよ」と言われて。ご縁を感じましたね。社内の書類でも、当時の図面が残っていたりするんです。

神大附属は私にとって、今の自分のベースとなるものがつくられた場所。自由な環境だからこそ、自主的に取り組む力、そして判断力や責任感が培われた気がします。先生方にしたら、全て決めてしまった方が楽だと思うんです。でも、先生方が個々に向き合ってくださったことがありがたかったです。今でも年一回は必ず立ち寄り、野球部にも顔を出すようにしています。かつて自分がそうだったように、自分の生き方や考え方から、後輩たちが何かを学びとってくれたらうれしいですね。