卒業生に聞く神大附属

橋本 望さん

※会社名・役職等は取材当時のものです

株式会社NTT東日本‐南関東
神奈川事業部
コラボレーション推進部
主査
橋本 望さん
2004年 本校卒業(第14期生)
早稲田大学商学部卒業
自分たちで自由に取り組む
「楽しさ」と「責任」を学んだ

真っ白なキャンパスに絵を描くような自由

神大附属での6年間は「自由」だったと、いま改めて思います。「あれやれこれやれ」と先生から指示された記憶は、ほとんどありません。特に、体育大会や文化祭といった学校行事は、企画から運営まで全て生徒主体で行っていました。真っ白なキャンパスに絵を描くように、決まりや前例にとらわれず自由に取り組んでいたのを覚えています。

そして、ほとんどの学校行事が大変な盛り上がりを見せていました。先生から何を言われたわけでもなく、何か副賞があるわけでもないのに、なぜあんなにも熱くなって遅くまで練習したり準備したりしていたのか……。今思えば、「自分たちで自由に考えて決められる」という楽しさと、「だからこそ最後までやり遂げたい、成功させたい」という責任感が、私たちを突き動かしていたのだと感じます。

「ティーチング」ではなく「コーチング」だった

橋本 望さん

自由といっても「放任」ではなく、先生方は必要な時にしっかりとサポートをしてくださいました。印象的だったのが、高校1年の沖縄校外学習でのこと。校外学習ではグループごとに自由研究のテーマを事前に設定し、現地でフィールドワークを行います。私たちは「地域振興」をテーマに掲げ、「地元の若者が、自分たちの住む街についてどう考えているかを知りたい」と先生に相談しました。すると、先生が現地の高校にアポイントをとって、同年代の生徒との意見交換の場を設けてくださったのです。そして当日、先生の引率なしに生徒だけでその高校を訪れ、現地の高校生と意見交換を行うという、大変貴重で刺激的な体験をさせていただきました。

生徒たちが主体的に学べるよう、状況に応じて手を差し伸べてくれる。こうした神大附属の教育は「コーチング」だったのだと思います。私も職場で部下や後輩をもつ立場になって分かったのですが、業務スピードを優先すると、「この場合はこうしたほうがいい」と一方的に自分の考えを伝える「ティーチング」のほうが、指導する側としては楽です。生徒の主体性や自立心を育むために、折に触れて「コーチング」を実践してくださった神大附属の先生方のすごさを、今になって痛感するばかりです。

自分が輝ける場所を、自ら探し出す

島田敏宏さん

部活動はバスケットボール部に所属していました。ここで学んだのが、部のスローガンでもある「FOR THE TEAM」の精神。「自己犠牲」ではなく、「チームの成果を最大化するために、自分に何ができるかを考え、その役割に全力を注ぐ」という考え方です。部員数が少なく、苦労することも多かった中、この精神は大きな支えとなりました。現在、NTT東日本で「光コラボレーション」という事業に携わっています。多様な企業様と連携し、新たなビジネスモデルを検討する中で、「NTTだからこそ提供できる価値は何か」をとことん考え、毎回商談に臨んでいます。

バスケットボール部以外にも、神大附属には「一人ひとりが自分の役割を見つけ、自分の仕事を全うする」という空気がありました。そのせいか、自分が輝ける場所を自ら探し出せるポジティブな人間が、神大附属の卒業生には多い気がします。卒業して15年が経った今でも、中高で出会った友人とは月に一回くらいのペースで会っています。それぞれが目標に向かって努力していて、会うたびに「もっと私も頑張ろう!」と思わせてくれる仲間です。「自分の子供も、神大附属のような環境で学んでほしいね」と、母親になった者同士でよく話しているんですよ。