卒業生に聞く神大附属

田中裕樹さん

※会社名・役職等は取材当時のものです

サントリーホールディングス
株式会社 経理部
田中 裕樹さん
2006年 本校卒業(第16期生)
一橋大学商学部卒業
気付いたら走り出してる、
そんな風に導いてくれた学校

生徒の考えや、やりたいことを先生が尊重し受け入れてくれる

中高の6年間、楽しかった思い出は数えきれないほどあります。実行委員として文化祭を成功させたこと、校外学習で沖縄の自然や文化に触れたこと、拳法空手部で仲間と切磋琢磨したこと…。全体を通して一番印象に残っているのは、神大附属の自由闊達な雰囲気ですね。誰もが自由に発言できて、それが受け入れられる。実際、先生方から否定的なことを言われた覚えがないんですよ。やりたいと言ったことには、いつも先生が親身に応えてくれました。おかげで、いろいろと思いきって挑戦できましたし、思いきりすぎたこともありました(笑)。

実は高校3年の夏、大学受験まであと半年というときに理系から文系に進路を変更をしたんです。それを申し出た時は、先生もあっけにとられていました。けれどこれは高校2年から真剣に考え続けた結果。自分は典型的な理系タイプで、家族にも理系の姉がいて、このまま進めばこんな人生になる、というのが見えてしまった気がして…。もっと違う道があるんじゃないか、自分の新たな可能性を切りひらいてみたい、と。当時はその思いを説明できませんでしたが、先生は反対したり怒ったりせずに「わかった」と受け止めてくれました。その後も文系受験のアドバイスをいただいたりしながら見守っていただき、第一志望の大学に合格。理系の指導をしてくれた先生への誠意として、勉強の成果を見せようと理系の志望大学を受験し、合格したことも思い出深いですね。

毎日学校に行くのが楽しみで、勉強もその楽しさの一部だった

田中裕樹さん

進学校といっても「勉強しなさい」と押し付けられることはなかったですね。生徒の自発的な意欲とか、一人ひとりのペースを大切にしてくれて、みんなのびのびしていたと思います。強制されなくても、いつのまにか自分から走り出してる、そんな風に導いてくれる学校なんだと思います。受験勉強は、最後はがんばりましたが、自分はかなりのんびりしていたと思います。それでも、もともと偏りなく学ぶカリキュラムだったこともあって文系への進路変更も何とかなりましたし、今は「ゼロ時限」と呼ぶようですが、みんなで朝早く学校に来て、先生にお願いして勉強をみてもらったり、今振り返ると意外とよく勉強していたかもしれません。真面目で勉強熱心だったわけではないです。早く学校に行ってみんなと会いたい、一緒に何かをするのが楽しい、勉強もそのひとつという感じで。単純に、毎日学校に行くのが楽しかったんです。

社会人になってから強く意識するようになった神大附属の建学の精神

当時のクラスメイトとは今でもしょっちゅう会っています。今度、クラス会をやろうとみんなで計画しているところです。時々、先生に会いに学校に行ったりもしています。普段は都心のビルでデスクワークをしているので、広々として緑に恵まれたキャンパスに来ると、やはり気持ちがいいですね。部活でやっていた空手は今はやっていないのですが、こんな環境があれば、またやりたいなと思ったりします。卒業して約6年になりますが、生徒たちを見ていると、のびのびとした雰囲気は私たちの頃とまったく変わっていませんね。神大附属で身に付いたものは、学力も含めていろいろあると思いますが、一番大きいのは学校の建学の精神である「積極進取」の姿勢でしょうか。この自由な雰囲気だからこそ自らやろう、という姿勢が自然に身に付いたと思います。実は勤めている会社もそうした社風で、目には見えませんが人生に大きく関わる部分がここで培われたように感じます。