卒業生に聞く神大附属

石田彩子さん

※会社名・役職等は取材当時のものです

平塚法律事務所
(弁護士)
石田 彩子さん
1997年 本校卒業(第7期生)
東京大学法学部卒業
先生の一言が
その後の人生の原動力となりました

「頑張ってみよう」と思わせてくる空気がいつもあった

「もっと上があるよ」―これは神大附属に入学してすぐ、初めての試験の後に担任の先生から言われた言葉です。試験の結果は学年で13番。個人的にはかなり満足のいく成績だったので褒めてもらえるとばかり思っていたのですが(笑)、この言葉を聞いてハッとしたのを鮮明に覚えています。現状に満足するのではなく、もっと上を目指してみよう、そんな「気付き」を与えてくれました。その言葉が大きなモチベーションとなり、その後も常に向上心を持って勉強に取り組むことができました。神大附属に入学する前は、まさか自分が東大に合格できるなんて夢にも思っていませんでしたが、無事現役で入学できたのも、そして司法試験に合格できたのも、全ては先生のその言葉が根底にあると思っています。

先生方は勉強以外のことでも気軽に相談できる、いい意味でとても身近な存在。「勉強しろ」と強制されるのではなく、自然と生徒のやる気を掻き立ててくれるような言葉をよく投げかけてくれました。また、クラスの友人とも試験前に問題を出し合うなど楽しみながら勉強ができました。おかげで毎日学校に行くのが楽しみで、卒業時には皆勤賞で表彰されたほどです。もちろん、強制したほうが伸びる生徒とそうでない生徒がいますが、先生方がうまく生徒の個性を見分け、私に合った指導をしてくれたんだと思います。

神大附属で見つけた一生の趣味と一生の仲間

石田彩子さん

もちろん勉強ばかりしていたわけではなく、部活動にも情熱を注いでいました。所属していた音楽部では、楽しいことだけでなく、夏休みも活動日が20日以上あるなど大変なこともたくさんありました。だからこそ発表会後の感動や達成感は何事にも代え難いものでしたね。あの時感じた「みんなと一緒に一つのものを創りあげること」の楽しさ、気持ち良さが忘れられず、その後も結局20年以上に渡りオーケストラを続けてしまい、現在も市民オーケストラ団体に所属しコンサート等を行っています。

折りに触れて感じた「積極進取」の精神

6年間の出来事で特に思い出に残っているのは、中学2年の時の校外学習。奈良・飛鳥地方で5.6人のグループに分かれサイクリングをしたのですが、具体的なスケジュールやプランはなく、「各グループがやりたいように、どこに行ってもいい。史跡を見てもいいし、山に登ってもいい」というものでした。神大附属の「自由」を肌で感じた、とても印象深い出来事でしたね。体育祭や文化祭といった学校行事も生徒自身でプログラムを組むなど完全に生徒主体で実施していて、6年間を通じて生徒の自主性を育んでくれる機会がとても多かったように感じました。

最近の中高は、生徒にとってとにかく面倒見の良い、懇切丁寧な指導をしてくれる学校が多いと聞きます。それはそれで良いのですが、何もかも手取り足取りでは、今支えてもらっている手を離されると何もできなくなってしまうのではないでしょうか。その点、神大附属ではあらゆる場面で自由度が高いので、しっかりと自分で考え、行動しなくてはなりません。しかしその過程で得た力は、ただ言われるがまま行動して得た力とは異なり、卒業後の成長にも大きく影響してくると思います。自ら開拓する力、まさに「積極進取」の精神ですね。